金時生姜 生姜は生よりも乾燥、加熱してから

人体は37℃で恒常性を維持できますが、体温が低く、身体の恒常性を保てない状態が「冷え症」と呼ばれ、
血管収縮や高血圧のみならず種々慢性疾患の原因となり、不定愁訴や不調を引き起こします。

逆に言えば、至適な体温の確保が健康体の維持、回復に繋がると言えます。

近年の異常気象はいままで体験した事のない寒さのみならず、
エアコンの普及は真夏でも汗を流すことを忘れさせる環境を造ってしまっています。

その上、冷蔵庫の普及は冷えを誘発しています。

「入浴する」
「腹巻・靴下を身に着ける」
「首元を冷やさない」

など外側から「身体を温める」ことも効果的で大切なことですが、
内側から身体を温めることも重要なことです。

 

生姜(ショウガ)は西洋でも東洋でもスパイスや薬味として、
また、医薬品として紀元前から用いられてきました。
生のままで、また、乾燥させ粉末にしたものを生薬や食事とともに、そして搾り汁をジュースに、
さらに精油分をオイル状にするなど、食習慣・食文化に合わせて、様々な形で摂取されてきました。

そのショウガには発熱中枢を刺激し、体温を上昇させる作用があります。
これは「ジンゲロール」という温め効果のある辛味成分の働きによるものです。

ショウガは日本のマーケットでは10種類ほど見ることができますが、主に小生姜、中生姜、大生姜の3つに大別されます。
その小生姜の一つに金時生姜(キントキショウガ)があります。
「金時ショウガ」は一般のショウガと比べて、小型で香りが強く、新芽が赤いことが特徴です。
また他の品種のショウガにはほとんどみられない香り成分「ガラノラクトン」
が豊富に含有されており、その上、「ジンゲロール類」は他のショウガの約3倍の含有量を誇ります。

ただ、生のショウガはそれほどからだを温める効果が高くありません。

ショウガは、加熱、乾燥したものを

ショウガは,加熱・乾燥させることで薬効が変化する性質を持っており、

加熱・乾燥により効き目(辛味)成分の「ジンゲロール」が、同じく効き目(辛味)成分の「ショウガオール」に変わります。
「ショウガオール」の体温上昇効果はジンゲロールよりも3割ほど高いのです。

生でも美味しくいただけるショウガですが、
加熱・乾燥させた粉末なら生のものを食べるより少量で効果的に有効成分を摂取できるのです。