私の水の飲み方 鉄瓶のお湯に出会うまで
以前私のお気に入りの入浴剤(過去記事リンク)の話をしました。
今回は水に関する話をしたいと思います。
水は買うものという風潮になって、久しくなりました。
「水道水には塩素が含まれカルキ臭い。そのうえマンションの貯水槽の水はとんでもない。
だから飲み水はペットボトル入りの天然水を買う。その方が安全だし美味しい。」と多くの人は言います。
でも私はわざわざペットボトル入りの水を買う気にはなりません。買って来るのは重いし、高くつくし、第一ペットボトルの可塑剤などの安全性の問題が気になります。ネットでは安全だという記事も見ますが、どこまで信用できるものか。そのうえ「天然水だから美味しい、やはり水道水とは違う」と言われますが、味音痴のせいか私は、「これは美味しい」と思うペットボトル入りの水を未だに飲んだことがありません。自然の汲みたての水で美味しいと思ったものは沢山あります。ですがポットボトルに入られ、流通しているものを美味しいと実感する事がありません。
流通している間に何かが変わってしまっているのではないでしょうか。
以上のような理由と、水道の普及していない時代に育った祖母の「生水は飲まないように」との教えから、私は水道の、そしてマンションの貯水槽からの水を一度沸騰させた物を飲料水としていました。それを一応アルミよりはちょっと高級なステンレスのやかん(お洒落に言ったらケトル)で沸かしていました。
そして朝起きるとまずその水で、漢方薬を飲みます。
私は通常保健薬として当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を丸剤としたものを飲んでいますが、頻尿になったりすると八味丸(はちみがん)も飲みます。
また私はおっちょこちょいで、よくあちこちぶつけては青あざを作るので、その時は桂枝茯苓丸(けいひぶくりょうがん)を飲みます。
漢方薬局のブログではありますが、今回漢方薬の話はこの辺まで。
鉄瓶で沸かしたお湯が格別おいしい
私は、水の味というものには、さしてこだわりはなかったのですが、
ある時山崎のあるお寺で、お抹茶をご馳走になった後で、「お釜で沸かしたお湯は美味しい」からと、
お釜からそのままお湯をすくって飲ませていただくとう機会をいただきました。
“うまい!!”
名水で有名な山崎の水のせいもあるでしょう!
でもいつもそれを飲んでいるお寺の方も、お釜で沸かしたお湯はまた格別と言います。
鉄のお釜や鉄瓶はいいのでしょうが、扱いが難しくて、マンション暮らしで、茶道の知識もない私にはとてもとても扱えません。
そして数年が経ち、つい先日デパートの職人展というのにフラッと行ってみたら、そこには鉄瓶のコーナーが。
一瓶(釜?)3万円から5万円、それ以上の物も。
看板をみたら山形の鉄瓶。
鉄瓶=岩手の南部と思っていたので、思わずそこのお店のおばさん(私もおばさんですが)に「山形でも鉄瓶作っているのですね。」と話しかけてしまいました。
そしておばさんの前には、小ぶりで使い勝手の良さそうな鉄瓶が!
値段もお手頃感。
1.2リットル、胴体はあられ、水玉のような凸凹。
蓋の取っ手はクチナシの実。「いつまでも朽ちないように」との意の事。
IHにも使用可能。
なぜこんなに値段が違うのか聞いてみると、高い物は、全体を一つの鋳型で作っているが、これはパーツ毎に作って、引っ付けると。
また高い物には表面に漆を塗っているものもあるとの事。またデザインも凝っている。
「水が美味しくなるよ!」。
でも「扱いが難しいから」というと
「そんなことないよ。」とおばさんがいろいろと教えてくれる。
教えてくれたのが、
■鉄瓶で沸かしたお湯を美味しく飲む条件として、
・鉄瓶で沸かしたお湯は使いきること。
・鉄瓶にいれたまま水に戻さないこと。
■鉄瓶のメンテナンスは
・鉄瓶でお湯を沸かしたあと、使い切って(空にして)蓋も開けておくと余熱で乾くので、そのままほっておく
・水洗いもせず、表面を乾いた布巾で拭いておくだけ
そんな説明が忘れられず、店内を一周回って買ってしまいました。
その日の夜から、水をステンレスのやかん(こちらは2.5リットルの大きさ)で沸かしていたのを、鉄瓶に変えてみました。
小さい火で20~30分かけて沸かします。
ガスと時間がもったいないかな~。
でも小さな火だし、かけっぱなしにしておくだけだし~。
沸騰したのを確かめるため蓋を開けて見る…「なんて綺麗な泡!」
ステンレスやアルミのやかんや鍋では見られない繊細で綺麗な気泡。音もいい!
見ているだけで癒される。しばし気泡を見て楽しむ。
こんな楽しみ方があったとは?!
茶道している方たちは、こんなことも楽しんでいるのかな?
そして沸騰したお湯をステンレスのやかんへ。そこで冷ます。
「大丈夫かな?不味くなったりしないかな?」
そして次の日の朝~“おいしい!!”
昨日までと同じ水道水か?! まるで魔法だ‼
それから毎朝の水だけでは無く、愛飲のサラシアのお茶(五層龍茶ハト麦入り)を沸かす時も、鉄瓶で一度沸かした水を使ってみた。
(鉄瓶で直接煎じたりはしません。)
いつものサラシア茶(五層龍茶ハト麦入り)もさらに美味しくなっていました。
漢方薬を煎じる時は、鉄瓶は使わない様にしないと、薬草の薬効成分が鉄と反応して不溶性になり薬効が低下することも知られていますので、用途に応じて楽しみましょう。