夏バテといえば“ウナギ”
という事で、良質なたんぱく質とビタミンAとBが多く含まれ、
夏の暑さで体力を消耗している時期には、まさに打ってつけの食材と、
土用の丑の日にウナギを食べる習慣あります。
栄養分のあるものを多く摂った方がいいという事で、
焼き肉や唐揚げなど脂っこいものを沢山摂る方もおられますが、
胃腸が冷えている状態では、やはり消化不良を起こしてしまいます。
この習慣が一般に広まったのは江戸時代と言われており、
その由来も諸説ありますが、夏バテに鰻と言うのは、なんと万葉の昔からあるそうで、
万葉集に
石(いわ)麻呂(まろ)にわれ物(もの)申(もう)す夏やせに
良しというものぞ鰻(うなぎ)漁(と)り食(め)せ
という歌があり、
大伴家持(おおとものやかもち)が石麻呂という痩せた人によんだ歌だそうです。
これを知ったときは、なんか悠久のロマンを感じてしまいました。
但し、このころの鰻は天然鰻、養殖の鰻は脂肪が多く注意が必要です。
また白米の上にのせるウナギ丼もよくないと言われています。
鰻を食べるなら、蒲焼にして山椒の粉を食べるのが王道と言われています。
山椒には胃腸を温める作用があり冷えを誘発する水を発散させてくれます。
鰻のほかに消化の良いたんぱく質としては、豆腐やドジョウなどがあります。
香辛料と夏の香草
ウナギに山椒の話が出ましたが、夏場は山椒、生姜、ウコンなどの香辛料は胃腸を温め、
紫蘇や茗荷などの香草は体の表面の熱を発散させその上利尿作用によって胃に貯留した水を出してくれます。
さらに食欲増進や消化を助けますので、夏は積極的に料理に取り入れることをお薦します。
暑い国のインドにカレーがあり、タイにトムヤンクンがあるのも、理にかなったことで、
夏に紫蘇や茗荷が旬になるのも大自然の恵みを感じますね。
白米の害について
漢方や健康法について勉強しているとよく出で来るのが、お米や砂糖などの精白による害についてです。
精製された白米や白砂糖は炭水化物ばかりでビタミンやミネラルがほとんどありません。
炭水化物が代謝されてエネルギーになるためには、ビタミンやミネラルが必要で、
他の食材で十分補われる場合はいいのですが、そうでない時はビタミンやミネラルの不足となります。
特にビタミンB1の不足はよく知られていて、体がだるくなったり、ひどい時は脚気になったりします。
砂糖は精製されていない黒砂糖やキビ砂糖、てんさい糖などを使い、
お米は玄米、胚芽米、雑穀米など使うようにしましょう。
これは夏に限らず年間を通しての養生法です。
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