アメリカ微生物学会(American Society for Microbiology)の出版するmSphere <Clinical Science and Epidemiology>部門に掲載されていたコロナウイルス対策としてのマスクの効果についての論文の紹介です。
[Hiroshi Ueki et al, mSphere e00637, 20. 2020.]
図のように二組のマネキンの一方に飛沫を発生させるネブライザー、一方に人工呼吸器をつけたマネキンを気密状態の実験装置の中に入れ、①コットンマスク②医療用(手術用)のマスク③医療用(密着型)マスクN95の三種類のマスクで比較します。
飛沫を出す図の左側のマネキンに各種マスクをさせた場合と飛沫を受ける右側にマスクをさせた場合についての実験です。COVID-19の定量はPCRとウイルスの培養によるプラークアッセイの2つで行っています。2つのマネキンの距離は50cmの間隔がある装置です。
右側にだけマスクをさせて左側にマスクをさせない場合で比較して①コットンマスクは20-40%、②手術用マスクは50%、③N95 密着型マスクでは80-90%のウイルスの侵入が抑制されました。密着型の医療用マスクはかなり有効です。つまり、アベノマスクをしていても50cm程度接近しているとかなりコロナウイルスの汚染に晒されてしまうということです。
一方左側のウイルスを拡散させるマネキンに①コットンマスク、右側に①②③のマスクをさせた場合や左側に②のマスクをさせて右側の飛沫を受ける側に①②③のマスクをさせた時の右側の感染度なども調べています。
N95医療用マスクを着用していても完全には感染を防御することはできませんでしたが、ある程度の感染防止効果はあると論文では結論しています。
マスクはしないよりもやはり人の多いところに行くのであれば着用した方が他の人の為にも有用ということです。
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