【 漢方褒貶】ニキビを駆瘀血剤で治す

×月〇日、20 代前半女性、ニキビの治療を主訴として来所されました。問診票や食事内容から冷え症と生理不順による瘀血(血の巡りの障害)を片寄った食事がさらに悪化させているのが基本にある事が判明しました。この場合は冷えが生理不順の原因かもわかりません。ニキビは西洋医学的にはアクネ桿菌が毛孔で増殖して、炎症性の変化を誘発するもので尋常性痤瘡や膿疱が出来る事も多いです。皮脂腺の多い顔面に出やすく、通常、皮膚科では

1)「ニキビをあまり手 でいじくりまわさない」
2)「毛穴をふさぐような化粧品を控える」
3)「ぬるま湯での石鹸の洗顔は 効果があり、毛穴を掃除する」
4)ニキビに髪の毛が触れない様にし、正しい洗顔を行い、肌を清潔に 保つ」など、患部だけに注目しています。

一方、漢方療法は食養生の重要性から日頃の食生活を聞くことのみならず生理不順や口唇の色、顔面 の色(上衝といってのぼせて赤っぽい)、冷え症、便秘の有無などが重要な判断の指標になります。患部のみに拘泥していては療法を誤ってしまいます。木を見て、森も見て、そして、山も見る必要があります。

今回は桂枝茯苓丸という丸剤が適しています。通常の医療用の桂枝茯苓丸料(エキス顆粒)とは似て非なるものです。(丸料は本来、原末を丸剤として服用すべきものを、煎じてそのエキスを顆粒とした ものです。)

薬剤師・医学博士 山原 條二  

 

 

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